大手石油会社様
「装置導入後にVOCの年間排出量を80%削減」
樹脂製造工程のVOCの待機排出削減
当工場では石油化学正基礎製品を製造しており、平成12年時点のVOC待機排出量は820トン/年でした。
VOC排出の大半は樹脂製造工程で使用するジクロロメタンの溶剤排出であり、平成14年に新たにシステムエンジサービス社の回収装置(PSA法)を導入、平成12年度比で80%の排出削減が達成できました。
ジクロロメタンは不燃性で扱いやすい溶剤ですが、沸点が40度と揮発性の高い物質です。システムエンジサービス社の除去回収装置は、吸着剤にシリカゲルを用い、吸着溶剤の脱着は真空引きで行っています。吸着塔2塔を有して吸着と脱着を交互に繰り返すことで連続運転し、大幅な削減を達成できました。
装置採用の理由
- 削除対象ガスの適用濃度範囲が広い
- 除去・回収率が高い(99%以上)
- 脱着再生に加熱用の蒸気を使用しないため、溶剤を含む排水が発生しない
- 吸着剤にシリカゲルを使用するため、吸着熱による温度上昇を抑制できる
- 劣化が緩やかであり、長寿命が期待できる